勉強本100冊のベストセラーを1冊にまとめた 一生使える勉強法

勉強

小学校、中学校、高校、大学とたくさんのことを勉強してきましたが、社会人として仕事をはじめてからでも、ずっと勉強が必要だとを実感しています。
本来の仕事に関する知識も、社会人としての一般的な知識も、もっと深く知りたい趣味についても、日々勉強中です。
しかし、私は本を読んでもすぐに忘れてしまうことが多いです・・・。こうやって読書のレビューを書くのは、読んで良かったなと思える本を紹介したいということと、自分が本の内容をしっかり覚えておくためでもあります。

今回は、勉強法、勉強に対する考え方についてまとめられた「一生使える勉強法」という本を読みましたので、学んだ内容やポイントを紹介します。

書籍情報

勉強本100冊のベストセラーを1冊にまとめた 一生使える勉強法
2022年2月17日 初版発行
著者:公認会計士 金川顕教
総合法令出版

内容

6つの章立てとなっており、これらの章から、私が特に覚えておきたい・紹介したい内容を数点書いていきます。

  1. 目標設定・動機づけの技術
  2. 習慣化・集中の技術
  3. アウトプットの技術
  4. インプットの技術
  5. 読書の技術
  6. 復習・フィードバックの技術

目標に期限を設ける 

第1章「目標設定・動機づけの技術」の中から「目標に期限を設ける」という内容を紹介します。
人間は基本的に怠け者なので、目標に期限を設定し、それを意識することで、その目標に向かってモチベーションを上げて取り組むことができます。
期限が決まっていると、やらなくちゃ!とストレスに感じてしまうこともありますが、例えば試験やスポーツでは、適度に緊張しているときが最もパフォーマンスが高いということも分かっています。

また、アメリカの研究機関において面白い調査結果が出ており、

  • ストレスを感じていない人
  • ストレスを感じながらも、それに対処する人
  • ストレスに悩まされながら、そのままにしている人

の3グループの寿命の長さを調べたところ、「ストレスを感じていない」グループよりも、「ストレスを感じながらも、それに対処する」グループが最も長生きしたとのことです。
原著論文を調べてみようとしましたが、ちょっと見つからなかったです・・・。

全くストレスを感じないより、自分に合った目標や期限を立ててそれに向かって行動することで適度にストレスを感じた方が、よいパフォーマンスも発揮でき、さらに長生きできるということです。
まさに、「適度なストレスは人生のスパイス」といったところでしょうか。

頭で考えるより先に体を動かす

第2章「習慣化・集中の技術」の中から「頭で考えるより先に体を動かす」という内容を紹介します。
勉強しないといけないけどやる気が出ない、ということは誰でも経験することだと思います。そんなとき、やる気が出てくるまで待つ、別のことをしてリフレッシュをする、いったん机の整理や部屋の掃除でもするか・・・という人も多いと思われます。しかし、筆者は、これではいつまでたっても勉強できないと注意しています。

勉強する気が起きないときにすべきことは、とにもかくにもまず「勉強の動作を始める」です。
パソコンを開いて講義動画を再生する、机に本を開く、手にペンを持つ等、なにかしら勉強にとりかかるための動作を行うべきとしています。
ある研究によると、動作を行おうと「思う」信号より、「動作する」信号の方が、0.35秒早く脳から出ているという結果が出ているようです。
これを勉強に当てはめると、勉強をするための何らかの動作をすれば、勉強しようという意識はあとからついてくる、と考えることができます。

かくいう私も、このブログの更新をおざなりにしてきた中、約1年ぶりのまともな記事・読書レビューを書こうという思いはずっとありました。早起きして朝5時にとりあえずパソコンを開くことで意識をついてこさせて、今これを書いています!

インプットとアウトプットの比率

第2章からは、あとの章にもつながる「インプットとアウトプットの比率」についてもお話しします。
「最良のインプットはアウトプット」と言われており、自分の中に記憶した・学んだ(=インプット)ことは、何らかの形でアウトプットすることで定着する、という意味です。

では、インプットとアウトプットの比率はどれくらいが一番良いのかという点について、脳科学の研究では「インプット:アウトプット=3:7」の割合が最良とされています。
アメリカのコロンビア大学の研究では、人物のプロフィールを記憶して暗唱する作業について、インプット・アウトプットの比率を変えたグループに分けて確認したところ、平均してよい成績となったのはインプットの割合が30%のグループでした。

インプットをしたら、必ずその倍以上のアウトプットをすることで、学んだことを自分に定着させることができます。
筆者は、学んだことをアウトプットするためのアクションリストを作り、インプットからアウトプットへの流れを仕組み化することで学びの効果を上げていこう!としています。

人に説明する

第3章「アウトプットの技術」の中から「人に説明する」という内容を紹介します。
アウトプットの王道の方法は、学んだことを人に説明することです。自分が理解していないことを他人に説明することはできないため、説明することで自分の記憶に定着し、さらに理解も深まります。

実際に誰かに話すことをシミュレーションしてみると、どう話せば伝わりやすいか、どこが自分の中で情報不足となっているのかが分かってきます。自分の理解が足りていない点は、また本や動画に戻って勉強し直すことで、自然とインプットとアウトプットを繰り返すことになり、長期記憶に残りやすくなります。
また、「ラーニングピラミッド」(学習ピラミッド)というモデルも引用して、講義を聞いただけではあまり記憶に残らず、人に教えると90%の内容を覚えていられる、としています。

ちなみに、この書籍では何も言及されていないですが、このラーニングピラミッドについて私が調べたところ、「ゾンビ学習理論」として大変批判されているようです。
このピラミッドは1946年に出版された本で登場し、元々はあくまで理論的なモデルとして図示され、具体的な数字の記載はなかったようです。その後、そのモデルの作者の意図に反して実践的なモデルと捉えられるようになり、数字も後から付け足されたようで、このピラミッドを作成するための根拠となる研究は実際に行われてはいないようです。
以下のページで、「本当に実験していたなら10%刻みのようにきれいな数字になるわけがない」とか、「こんなデタラメな図を使って講義しているやつがいたら目玉をくり出して投げつけてやる」と大変怒った内容を書いていますので、興味があればご覧ください・・・。
https://acrlog.org/2014/01/13/tales-of-the-undead-learning-theories-the-learning-pyramid/

いずれにせよ、(上記のゾンビ学習理論のせいでちょっと説得力にかけるかもですが、)人に話すことで自分に定着できるということは、勉強する上で重要なポイントになります。

視覚化したアウトプットをする

アウトプットの技術から、もう一つ「視覚化したアウトプットをする」という内容も説明します。
文字で伝わりにくいことを、図・表や絵・イラストを使って表現する、文字の大きさや装飾を工夫する等でビジュアル化すると、見る人の理解の促進につながります
ビジュアル化する過程で、イラストや図表を駆使してまとめるためには、自分の中でしっかりと理解する必要があります。

インスタグラムやXで日常の経験やライフハックを漫画でまとめている人についても、このテクニックの範疇なのかなと個人的に思ったりします。
このブログは基本的に文字ばっかりですが、薬剤師国家試験の解説やこれから書いていくであろう記事では、図や絵もしっかり使って分かりやすいものにしていきたいなと再確認することができました。

アウトプットを見据えてインプットする

第4章「インプットの技術」の中から「アウトプットを見据えてインプットする」という内容を紹介します。
そもそも、社会人が勉強するのは、勉強によって得た知識を仕事に役立てる、より良い生活を送る、得た楽しい知識を誰か人に伝える、といった「アウトプット」=「目的」のためです。つまり、すべてのインプットは、アウトプットが前提となっていると言えます。

「エビングハウスの忘却曲線」によると、新しいものを最初に学習した20分後には58%、1時間後には44%、思い出すまでの時間を節約できるとされています。
そのため、勉強しているときは、常に誰かに教えるアウトプットを意識し、目の前にバーチャル友達がいることを想像して、教えながら(アウトプット)、覚える(インプットする)ことで、より効率的に記憶することができます。

本全体の20%を読んで80%を理解する

最後に、第5章「読書の技術」の中から「本全体の20%を読んで80%を理解する」という内容を紹介します。
何のために本を読むのかということを改めて考えると、勉強=自分の成長のためです。つまり、自分にとって必要だと思う部分だけを読めばよい、知りたいことを知ることができればそれだけでよい、ということになります。
さらに、筆者は、本の中で知っておくべきこと、著者が伝えようとしていることは、思っているよりも分量的に少ないことを指摘しています。

筆者が勧めている「断捨離読み」は、まず本の「はじめに」を読んで著者の問いかけを把握し、「おわりに」で要約を確認し、そして各章の見出しや太字の部分をチェックして、本当に「読む」べきところを選び出す作業のことです。これにより、本当に大事な本の20%部分を選び出します。
これらのことを頭に留めておき、自分の興味があるところ、重要だと思うところを重点的に読み、著者の意見について自分の考えも述べられるようにすることが、本当の読書だと言えます

筆者は同じ本を4回読み、「予測読み」、「断捨離読み」、「記者読み」、「要点読み」という進め方でインプットしているようです。詳しい内容は、ぜひこの本をご覧になってください。

最後に

今回は、一生使える勉強法のテクニック・考え方が書かれた本を紹介しました。
書いた内容以外にも、たくさんの勉強法がありますので、是非お読みいただき、自分に合った勉強法を身につけ、よりよい生活を送れるようになっていただければと思います。

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